TOP » エレベーターの保守・点検・修理なら「大阪エレベーター」 » 昇降機の法定点検と定期点検の違いとは?頻度・義務を分かりやすく解説
皆さんは、毎日何気なく利用している昇降機(エレベーター)の安全性がどのように守られているかご存知でしょうか?
エレベーターは、私たちの生活に欠かせない便利な乗り物ですが、その安全な運行を支えているのが「点検」です。
点検には、「法定点検」と「定期点検」の2種類があります。
どちらもエレベーターの安全を守るうえで重要な役割を果たしていますが、その違いを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。
こちらでは、エレベーターの「法定点検」と「定期点検」の違いについて、それぞれの頻度や義務と共に分かりやすく解説します。
点検の種類や内容、費用負担、法的責任など、所有者や管理者が知っておくべき重要な情報をまとめました。
昇降機、特にエレベーターの安全性確保のためには、法定点検と定期点検という2つの異なる点検が重要な役割を果たしています。これらはどちらも昇降機の安全性を確認するものですが、その実施主体や法的根拠、点検内容などが異なります。
◇法定点検とは?
建築基準法第八条に基づき、建築物や建築設備を適法な状態に維持するために、所有者または管理者には定期的な点検が義務付けられています。この点検は「法定点検」と呼ばれ、昇降機(エレベーター)も対象です。
法定点検は、専門知識を持つ検査資格者が行います。
主な点検項目は以下の通りです。
点検項目 | 内容 |
巻胴装置 | ワイヤーロープの状態、ブレーキの効き具合 |
駆動装置 | モーターや減速機の動作確認 |
かご | ドアの開閉、非常ボタンの動作確認 |
制御盤 | 電気系統の動作確認、漏電検査 |
安全装置 | 非常停止装置、過速度検出装置の動作確認、設置されているすべての安全回路の動作確認 |
これらの点検は、利用者の安全を守るうえで非常に重要です。
◇定期点検とは?
定期点検とは、所有者または管理者が主体となって行う自主点検のことを指します。これは、建築基準法における法定点検とは異なり、法律上の義務としては位置づけられていない場合もあります。
しかし、労働安全衛生法においては、毎月1回の保守点検が義務付けられており、労働者が使用する設備としてのエレベーターに該当する場合には、管轄によって定期点検が必要とされます。
そのため、エレベーターの使用環境や目的によっては、法的に定期点検が求められるケースもあるため注意が必要です。
安全な運用を維持するためにも、定期的な点検の実施は極めて重要です。
自主点検には、日常点検と定期点検の2種類があります。
日常点検では、主に利用者が異常に気づくための点検を行います。例えば、かご内外の照明の点灯状態や、ドアの開閉に異常がないか、異音や異臭がしないか、停止位置の異常がないかなどを確認します。
定期点検では、専門の保守点検業者に依頼し、より詳細な点検を行います。エレベーターの機械部分や電気系統、安全装置などを細かくチェックし、異常があればお客様にお見積書を提出し、修理や部品交換などの適切な処置を行います。
定期点検を適切な頻度で行うことで、故障や事故を未然に防ぎ、エレベーターの安全性を確保できます。また、定期的なメンテナンスはエレベーターの寿命を延ばすことにもつながります。自主点検は法的義務ではありませんが、所有者/管理者には建物の安全を守る責任があるため、適切な点検計画を立て、実施することが重要です。
◇法定点検と定期点検の具体的な違い
法定点検と定期点検は、どちらも昇降機の安全確保に重要な役割を果たしますが、その実施主体や点検項目、費用負担などに違いがあります。
まず、実施主体と費用負担ですが、法定点検は建築基準法に基づき所有者・管理者の義務であり、費用負担も所有者・管理者が行います。実施者は、資格を持った検査員です。
一方、定期点検は所有者・管理者が自主的に行う点検であり、費用負担も所有者・管理者が行います。実施者は専門業者に委託するのが一般的です。
特に注油に関しては、法定点検(定期検査)では確認のみが行われ、実際の注油作業は行われません。一方、月次の定期点検では必要に応じて注油作業が実施され、これによりエレベーターの滑らかな動作が維持されます。
注油が不十分なエレベーターでは、昇降時に抵抗が生じやすくなり、それが機械的な負荷となって現れます。例えば、定格積載量が550kgのエレベーターでも、注油不足により実際には650kg相当の荷重がかかっているような状態になることがあり、機器への負担が大きくなります。
点検項目については、法定点検は建築基準法で定められた項目を検査するのに対し、定期点検は法定点検の項目に加え、日常的な点検項目も含まれます。
法定点検と定期点検はそれぞれ異なる役割を担っているため、両方を適切に実施することで昇降機の安全性を確保することが重要です。
建物の安全を守るためには、昇降機の適切な維持管理が欠かせません。
昇降機の点検には、法で定められた「法定点検」と、所有者や管理者が自主的に行う「定期点検」の2種類があります。
それぞれの点検の頻度と法的義務について解説します。
◇法定点検の頻度
エレベーターの法定点検は、建築基準法によって定められており、建物の所有者または管理者には、毎年1回の点検実施が義務付けられています。この法定点検は「定期検査報告」とも呼ばれ、建物の安全確保のために重要な役割を担っています。
法定点検は、資格を持つ専門家(一級建築士、二級建築士、または昇降機等検査員)によって行われます。点検では、エレベーターの主要な部品や安全装置が法律で定められた基準を満たしているかを確認します。点検結果は特定行政庁に報告する必要があり、報告を怠ったり虚偽の報告をした場合は罰則が科せられる可能性があります。
法定点検は、エレベーターの安全性を維持するために不可欠です。定期的な点検によって、故障や事故を未然に防ぎ、利用者の安全を守ります。
◇定期点検の頻度
定期点検は、法定点検とは異なり、建築基準法上では法律で定められた点検ではありません。所有者や管理者が自主的に行う点検であり、その頻度は法律で厳密に定められているわけではありません。
ただし、労働安全衛生法においては、労働者が使用するエレベーターなどの昇降設備について、毎月1回以上の保守点検が義務付けられている場合があります。
そのため、設置場所や用途によっては法的義務が発生するケースもあるため、適切な法令確認のうえで頻度を設定することが重要です。
国土交通省が公表した「昇降機の適切な維持管理に関する指針」では、定期点検の頻度について「エレベーターの使用頻度等に応じて定期的に」行うとされています。旧ガイドラインでは、おおむね1ヶ月以内ごとに点検や整備の実施とされていましたが、現在は「使用頻度等に応じて」となっています。
具体的には、以下のような要素を考慮して頻度を決定します。
◆建物の種類
マンション、オフィスビル、商業施設など、建物の種類によって利用状況が異なるため、それに応じて頻度を調整する必要があります。
◆利用状況
利用者数や稼働時間など、エレベーターの利用状況によって摩耗や劣化の程度が異なるため、利用頻度が高いほど点検頻度を高める必要があります。
◆エレベーターの設置環境
屋内、屋外、高温多湿な場所など、設置環境によって劣化の速度が異なるため、環境が厳しいほど点検頻度を高める必要があります。
◆エレベーターの機種
機種によって構造や性能が異なるため、メーカーが推奨する点検頻度を参考にする必要があります。
これらの要素を総合的に判断し、専門家の意見も参考にしながら、適切な点検頻度を設定することが重要です。一般的には、ひと月に1回程度の頻度で点検を行うことが推奨されていますが、上記のような要素によって頻度を調整する必要があります。
◇法定点検の法的義務
建築基準法第12条により、エレベーターの所有者または管理者には、法定点検(定期検査報告)を毎年1回実施することが義務付けられています。この点検は、国土交通大臣が定める基準に適合しているかを検査するもので、資格を持った専門家(一級建築士、二級建築士、または昇降機等検査員)によって行われます。
点検結果は特定行政庁に報告する必要があり、報告を怠ったり虚偽の報告をした場合は、罰則として100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
法定点検の法的義務は、所有者または管理者に責任があることを明確に理解しておく必要があります。所有者と管理者が異なる場合は、契約内容などによって責任の所在を確認しましょう。
法定点検は、エレベーターの安全性を確保するために不可欠なものです。所有者/管理者は、法的義務を遵守し、適切な点検を実施することで、利用者の安全を守り、事故を未然に防ぐ責任があります。
エレベーターは、私たちの生活においてなくてはならない垂直移動の手段です。毎日のように利用するからこそ、その安全性を確保することは非常に重要です。
点検を怠ると、重大な事故につながる可能性があります。法定点検と定期点検により、大切なエレベーターの安全を守りましょう。
こちらでご紹介した内容を参考に、エレベーターの安全性に対する理解を深め、適切な維持管理を行うようにしましょう。
大阪エレベーターは、どんな製品でもお客様のご要望にお応えできるよう、24時間サポートに努めています。
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